社風

私の会社の風土として、仕事を人に押し付けたものがち、というのがある。そもそも本業が忙しく人も常に足りないので、新たな仕事はなるべく抱えたくない。また、意味もなく自分たちの仕事を増やすことを幹部たちは喜ばない。抱えたところで評価が変わるわけではない。したがって、押し付けに押し付けあう。

その押し付け合いの中で最前線の私たちは疲弊していく。押し付け合いが仕事の一つとなっている。(確かに一時的な押し付け合いに勝利すれば、長期的な面倒な仕事はせずに済む)だが、いったい何なんだろうこれは。とも思う。同じ会社内で、なぜこのような不毛なやりとりをしなければならないのだ。

トップダウンの会社ならこんな無駄なことはあるまい。

人が潤沢にいればこんなことはあるまい。(むしろ仕事を歓迎するかもしれない)

組織体制が有効ならこんなことにはなりにくいだろう。(例えば業務割り振りを決定する強い権限を持つ部署がいるとか)

だがいずれも私の会社にはない。押し付け合いに負けて(必ず誰かが負ける)仕事を引き受けてしまった人は、新たな業務をやらなければならないという点、上司や部下に冷たい目で見られるという点でつらい思いをする。人に押し付けたものが評価されていく。タフなこころと怜悧な頭脳を併せ持つ人達だ。

その価値観に合わないのに、自分がそこでやっていくしかないというのは、厳しい事実だった。

 

暇なのと忙しいのとどっちがいい?